趣味嗜好がもう完全におじさん
次 お店に来たときは「山おじさん」とでも呼んでください。
で、ですね
今回の山歩きや滝巡りをやって思ったことがあるんですよ
ずーっと
すっごい人が集まる街でノイズとパワーにまみれ
瞬きしているうちに10年なんてアッというまに過ぎ去っていくスピード感
そんな変化の波と都会ならではの緊張感の中で生活してて
ハア〜たまには「ほっこりしたいぜ~」って感じで
夏は海に 春や秋には山や川に繰り出しているんです
家族や友人や先輩や後輩など
数人で連れだって
BBQしたり 外でおにぎり食べたり 音楽聞いたり 珈琲淹れたり 温泉入ったりしている時は
本当に「ゆるむぜ~」って感じで
「いや~最高~本当に最高~」って連呼してまくってるんです
リフレッシュって言葉がぴったりで
心だけじゃなく身体も緩んだな~って思えるんですよ
ですが 今回の山歩き(低山を登る)や
先週 独りで行った滝めぐりはですね
ほっこりどころか めっちゃ緊張感がビシビシだったんですよ
まず山歩きですが
後輩と二人で温泉に入りに行こうぜって話から じゃあ 温泉だけだと面白くないから山でも登って頂上で珈琲でも淹れてからほっこりしにいこうぜ~って
ゆる~い感じの企画だったので
さ~これから登るぞ~って気分が盛り上がってきてワクワクしながら
登山口に差し掛かったらですね
「最近はクマが出没しています ご注意ください」的なインフォメーションが貼りだされている訳ですよ
まじか~って どうする?
登のやめる?
辞めて温泉に直行する?
二人で顔を見合わせ無言の会話をしたんですよね
でも せっかくだから登るかって感じで(かなり躊躇しましたが)
始まったんで すが
一気にワクワクがドキドキに
そして無意識のうちに体に力がぎゅーっと入るんですよ
まあ 一応 鈴とポータブルラジオを持って登りはじめたんですが
すっごい山道で(高尾山とは大違い)
木々が生い茂ってるし山道はくねくね曲がってて先が見えないから
野生動物がでてきたらどうしよう?
東北地方で山菜採りの方が熊の被害に遭われた事とか思い出したり
そこを曲がったら出くわすんじゃないかとか勝手に妄想したりして
二人とも口には出さなかったのですがいろいろ思ってたと思うんですよね
ラジオの音量は大きくし 声を張り気味にして話し
手に持った鈴を鳴らしながら
めっちゃハイスピードで歩き続けたんですよ
森林浴とか 癒しとか ほっこりのんびりとか
そんな余裕 皆無ですよ!
早く頂上につかないかな~って
いや〜つくづく実感しましたね
自分 めっちゃ 気が弱い 臆病だって!!
出ますよね こんな時に本性が
で、無事 頂上についた時 達成感というより
よかった〜何事もなくたどりついた〜って
安心感でいっぱい!!
でも リラックスは出来なかったんですよね
頂上からの景色は綺麗でしたよ
予定とおり 淹れた珈琲も
後輩君がわざわざ重い思いをしながら運んでくれたコーヒー豆
昼食の為の作ったインスタントラーメンも
こんな感じです
「ああ〜うめな〜 いや〜最高だな〜」って
そんな事 言いながら真面目に美味しく頂いたのですが
でも 余裕がないんです ゆっくり出来ない。
だって 下山しなくちゃいけないわけですよ
来た山道を
野生動物と遭遇するかも知れないという恐怖感をもちながらね
おまけに
登山口までくる時に乗ったバスの中で一緒になった御高齢のベテランハイカーさんお二人と頂上でも一緒になり
ご挨拶したら話しかけられて
「今年の7月頃白岩滝の近くで真新しい熊の足跡見つけたんだ、ちょっとタイミングが悪かったら遭遇してたかもしれない やっぱいるんだな〜 熊」って言いながらその時 撮影した熊の足跡の写真を見せられ
「君たちも気をつけてね」なんて言われた訳ですよ
こちらがビビってたのバレたのかな〜って思ってみたりして
「いや〜凄いですね めっちゃ綺麗な足跡の写真ですね〜」
って何を褒めているのか分からない事を言ってね
もう 笑うしかないですよね
嫌でも来た道を帰らなくては行けない
テレビのバラエティ番組の様に
せーのでジャンプしたら温泉についたらどんなに良いだろうって
つくづく思いましたよ
まあ 結局何事もなく無事下山でき
ツルツル温泉と言う僕にそれを言うみたいな名前の温泉に浸かったとき
もう 魂が抜けるんじゃないかって位
ほけ〜っとしちゃって
気を失いそうな位緩んじゃったんですよ
周りには身体にアーティスティックな絵柄がびしーっと入った方々が数人いらっしゃったのですが
山で感じた 野生動物がいるかもしれない 出会うかもしれないと
心に勝手に芽生えた恐怖感に比べれば
もう なんてこともなく
ゆっくりお湯に浸かりなが
いや〜やっぱり歳もとったし体力なくなったな〜なんて思って
こりゃ〜筋肉痛になるだろうな〜
歳とるとなるのが遅いんだよな〜なんてどうでも良い事考えながら
後輩みたら
ぽか〜んと口が開いてて魂抜かれたような顔で
寝てる? 瞑想中?って感じでめっちゃ緩んでたんですよ
あっ あいつもやっぱ緊張してたんだって
良かったって
そこでやっと周りを見れる様になったんですよ
やっとリラックスできたんです。
前に読んだ本の中に
最近は緊張感を背中に持っている人が少なくなった
みんな 目に見える物しか意識しない(目の前ってこと)
それは とても危険な事だ
みたいな事が書かれていて
多分 感じる能力が低下しているってことだと解釈してるんだけど
自然の中 特に 野生動物が棲んでいるかもしれない領域に人間がおじゃましたり
足がとどかない 深〜い海の上を泳いでいたりするとき
死を意識しちゃうというか すごく恐怖感が自分の中にあって
それは 考えるんじゃなく勝手に芽生えてくるんです
良い事なのかわからないのですが
その緊張感や恐怖感は無くしちゃいけないなって思ってるんですよ
もちろん ビビり過ぎは身体が萎縮してちゃんと機能しなくなっちゃうのでダメだと思うんです
そのナチュラルな恐怖感を持ちながらリラックスして周りが見れる様にならなくてはいけない
いつでも動ける様に 反応出来る様に 対応出来る様に
そこまで到達したら自然の中でも楽しめるんじゃないでしょうかね?
ちょっと話が逸れますが
僕の生業の中で大切な事の一つに
感じる力ってあるんですが
頭の中で妄想したり考えたりしたことでいっぱいになっちゃうと
感じる力が考える力に置き変わっちゃうんじゃないかって
緩み過ぎていても 考え過ぎていても 緊張しすぎていても
良くないんじゃないかって
都会にいても自然の中にいても感じるって事が大切なんだなって
ははは
最後はブルースリーの名言みたいなまとめになっちゃったな〜
いや〜楽しくなってきましたね
Don’t think, feel 考えるな、感じろ
わはは 今回も音楽を聴きながらこいつを書いています
しかし 都会は安全だね〜 一番リラックス出来たりしてね
石原 治和